案内中の部屋は空き家のはずなのに物音が!
2021年09月26日
先日、一人暮らしのお部屋を探しているお客様をご案内した時の話です。
その日は全部で4部屋をご案内することになっていました。
一日に4部屋というのは、一部屋一部屋をじっくりみるのであれば、
3~4時間はお客様とご一緒するような内見数であり、
申込ということになれば半日程ご一緒することになります。
通常、不動産屋と呼ばれる人間は、「この物件でお客様を落とす」と決め、
その物件が最後にくるようにして回る順番を決め、案内したりします。
出来れば私もそのようにしたいのですが、それよりも兎に角、
時間がかからない道順で、最短ルートでご案内してしまってます。
その為、今回のケースで言うと、私はおろかお客様も一番期待していない物件が
一番最後になってしまうということになってしまいましたが、仕方ありません。
集中を切らさず、最後の物件まで見ていただけることを期待するしかありません。
さて、そんなこんなで始まったご案内。
内見が出来るということは、勿論、どの物件も空き家です。
現地にキーBOX等で鍵が設置されており、その暗証番号を管理会社さんに聞いて
鍵をお借りし、部屋の鍵を開けて中に入ります。
そして1件目のご案内の際にそれは起こりました。
(※注:ここからは心臓の悪い方、ホラー映画の嫌いな方等はご遠慮ください)
鍵を開け、中に入りました。
広さが30㎡程ある、1DKのお部屋です。
今回案内する中では一番広い部屋でした。
DKが6帖あり、現在キッチンがあまり広くとられていない物件に住んでいらっしゃる
お客様にとって、気に入っていただけるのではないかと密かに2番手の位置づけをしていたお部屋です。
お客様:冷蔵庫をここに置いて、まだこんなにスペースがある!
不動産:(しめしめ)
そうでしょう。お一人暮らしでそんなに大きくない机と椅子でしたら、ここに置いて
食事も出来ますよ。
お客様:確かに、そうですね。こんなに広いとは思ってませんでした。
というよう話をダイニングキッチンで行い、いよいよ居室へ。
不動産:(これはこの部屋で決まる可能性もあるぞ)
などと思いながら、居室とベランダを隔てるシャッターをあけていると
ドン!カサカサ・・・
風で扉が激しく閉じたかのような音と、なにかビニールが擦れるような音が聞こえてきました。
扉といえば、玄関扉は初めから閉めていたし、ダイニングキッチンと居室の間は引き戸です。
収納の扉は開き戸ではありましたが、動いた形跡はありませんでした。
(もしかしてシャッターを開けた時の音だったのか?)
とも思いましたが、
お客様:今の大きな音は何の音だったんですかね?
と。
不動産:やっぱり音しましたよね。
(ちくしょー!気のせいじゃなかったのか!!)
お客様:あっちのほうから聞こえたような・・・
不動産:でもあっちって、収納ですよ。音が出るようなものは・・・
といいつつも、確かに何か気配のようなものは感じる・・・
まさか、遂に霊的なものを見る日が、見えてしまう日が来てしまったのか。。。
そんなことを考えながら、恐る恐る収納を覗く、、、
が、何も変わった様子はない。
(やばい、やばいよ。遂に霊的なものがいる部屋に来ちゃったよ!!)
と思いながら、顔をお客様の方に戻し始めたその時、
視界の端に、、、ん?、、何か黒い影が、、、??、、、
霊か?霊なのか??確かに黒い影が・・・
あそこに・・・いや、あそこからあそこに・・・
あそこからあそこ??動いてるのか??霊が動いてるのか??
動いてる。確かに動いているぞ!!霊が??いや霊じゃない!!
黒い影、黒いもの、黒の塊、黒い塊!!!
ゴ、ゴキブリ―!!!
綺麗に清掃された部屋のゴキブリ!!
だからと言って、ゴキブリも綺麗だとは限らない!!
というか、綺麗なはずがない!!!
だったら、霊とかの方が良かったよ!!
世の中で一番、ゴキブリが嫌いだよ!!
マジで嫌いなんだよ!!
動きが機敏で、予測つかないところがすっごく嫌いなんだよ!!!
で、ドン!って相当音大きかったぞ!!
どこかしらから落ちてきた時の音ってこと!?
さぞかし立派なボディーをされてらっしゃるんでしょうね!!!
なんだよ!でてってくれよ!!
こっちは仕事中なんだよ!!!
邪魔すんなよ!!!
と頭の中ではグルグルと回ってましたが、
そうです、仕事中なんです。
家でだったら、「うわぁー!!!」ですが、仕事中なんです。
不動産:収納の広さは大体、わかっていただけましたよね。
ビニールのカサカサの音はあれが原因だったんですね。
(あれ➡ゴキブリを見ても平気な方のみ下の写真をご確認ください)
出てこれないように、ここ閉めておきましょうね。
と言って、収納の扉を閉めました。
そして、暗い気持ちで玄関扉を閉めて出ました。
すぐに管理会社に内見が終わったことと、
大きくて立派な黒い塊がお部屋にいらっしゃることを伝えてその物件を後にしました。
2番手の位置づけにあった物件でしたが、こうなっては仕方ありません。
お客様ももうダイニングキッチンで話をしていたテンションではありません。
もう1番手の物件に任せるほかありません。
そして、4件の、いや4件見ましたが、実質3択になる内見が終わりました。
不動産:いかがでしたか?
どれかお住みになりたい物件、ございましたか?
と尋ねると、悩みに悩まれながら、
お客様:どのお部屋も良かったんですけど
不動産:(ゴキブリ以外のお部屋ですよね)はい。
お客様:色々と比較して、実際住むところを想像すると
不動産:(ゴキブリ以外のお部屋でですよね)はい。
お客様:最後の4件目がいいかな~って思ってるんですけど
不動産:・・ですよね~。
いや~、実際に内見してみると、想像とは違ってくるものです!!